「誰もが理解できる明快な論理展開、読み手を惹きつける構造化」これは英語論文を書く上で重要なポイントです。経済学者のマイケル・ポーターの言葉を借りれば、「戦略とは選択と集中である」。この言葉は英語論文の構造化にも当てはまるでしょう。
主要なアイデアを明確にし、適切に配置することで、より洗練された論文が書けるはずです。この書籍では、英語論文の様々な側面について詳しく解説しています。タイトルの付け方から、文体、要約の長さ、結論の書き方まで、効果的な構造化のためのテクニックが満載です。
キーポイント
- 英語論文の構成要素を理解し、適切に配置することで論理的な流れを作る
- タイトルや要約の書き方など、論文の各パーツを意識的に構造化する
- 読み手の視点に立って論文を組み立て、分かりやすさを追求する
- 文体や表現にも配慮し、洗練された英語論文を書くことができる
- 一貫した論理性と統一性のある論文構造を意識的に作り上げる
英語論文の種類と基本構造
英語論文にはいろいろな種類があります。例えば、essay(小論文)、paper(学会発表論文)、monograph(専門論文)、thesis(学位論文)などです。目的や対象読者によって、どの形式が合っているかが重要です。
英語論文の主な種類
- essay(小論文): 短い論文で特定の論点を深く掘り下げます。
- paper(学会発表論文): 学術会議で発表する研究成果を報告します。
- monograph(専門論文): 特定の主題について専門的に研究した論文です。
- thesis(学位論文): 大学院生が学位取得のために執筆します。
一般的な英語論文の構成
英語論文の基本的な構成は以下の通りです:
- タイトル
- 要約
- 序論
- 材料とメソッド
- 結果
- 考察
- 結論
- 謝辞
- 参考文献
- 付録
これらのセクションを適切に配置することが大切です。論理的な構造が、効果的な英語論文を書く上で重要です。
論文の種類 | 特徴 | 主な構成 |
---|---|---|
essay(小論文) | 短い論文で特定の論点を深く探究します。 | 導入、本論、結論 |
paper(学会発表論文) | 学術会議での発表内容を報告します。 | タイトル、要約、序論、方法、結果、考察、結論、参考文献 |
monograph(専門論文) | 特定のテーマについて専門的に研究します。 | タイトル、要約、序論、文献レビュー、方法、結果、考察、結論、参考文献、付録 |
thesis(学位論文) | 大学院生が学位取得のために執筆します。 | タイトル、要約、序論、文献レビュー、方法、結果、考察、結論、参考文献、付録 |
英語論文には様々な種類があります。目的や対象読者に応じて、適切な構成を選ぶことが大切です。論文の構造を理解し、効果的な論述を心がけることが重要です。
英語論文の書き方ステップ
英語で論文を書く時、目的と内容をはっきりさせることが大切です。何を伝えたいのか、どのように伝えようかを先に考えておきましょう。過去の論文を参考にするのもいいです。そうすると、自分の研究の位置を把握しやすくなります。
論文の目的と内容を明確化する
論文を書く時、目的と内容をはっきりさせることが大切です。何を伝えたいのか、どのように伝えようかを先に考えておきましょう。これで、論理的な構成と説得力のある内容が作れます。
過去の論文を参考にする
先行研究を参照することは重要です。同分野の過去の論文を調べ、参考になる部分を学びましょう。これで、自分の論文の質を上げられます。
論文の構造 | 特徴 |
---|---|
IMRaD | Introduction、Methods、Results、and Discussionの4つの主要部分で構成される定番の形式 |
その他の構造 | IMRD、IMRDC、IRDM、IRDCM、ILMRD、ILMRDC、IM[RD]C、ILM[RD]C、IL[MRD]C、Noneなどバリエーションが存在 |
論理的で簡潔な文章を心がける
英語論文では、受動態を使うことが一般的です。結論から述べて、その理由を後から説明する構造が推奨されています。読み手を説得するためには、簡潔で論理的な文章が重要です。
一人称を避け、受動態を使う
論文では、客観的な事実を伝えることが大切です。だから、一人称を避け、受動態を使うことが推奨されます。これにより、論理性と中立性を保つことができます。
結論から理由を述べる構造
論理的な文章では、結論から述べ、その理由を後から説明する構造が好まれます。まず結論を示し、その後に理由を提示することで、読み手の理解を促します。この構造は、論理性と簡潔さを兼ね備えています。
項目 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
論文要旨 | 400字まで | 10点 |
本文 | 8,000〜16,000文字 | 70点 |
特別減点 | 各項目-5点、合計-10点 | -10点 |
特別加点 | 各項目10点、合計10点 | 10点 |
フォーマルな表現を使う
英語論文では、フォーマルな表現が求められます。日常会話では使わない表現を避けましょう。専門用語や正しい文語表現を使用することが大切です。
例えば、「I’m」は「I am」に変えてください。「Don’t」は「Do not」にしましょう。
論文の語彙には重要なポイントがあります:
- 主語をはっきりさせる (I, we, this study など)
- 受動態を使う (主語が受動的に動作を受ける表現)
- 冠詞の使い分けを意識する (a/an, the)
- 丁寧な表現を心がける (use, investigate, demonstrate など)
- 論理的な接続詞を適切に使う (therefore, in addition, on the other hand など)
これらのテクニックを使うことで、読み手に対して適切な敬意と丁寧さを示せます。論文の品格を保ち、信頼性を高めることができます。
「論文はあくまでも学術的な文書であり、その言語表現は丁寧さと正確さが求められます。」
タイトルの付け方
論文のタイトルは、その内容を正しく伝え、読者を引き込むべきです。理想的には、簡潔で重要なキーワードを10~12語で使うべきです。
簡潔で重要キーワードを含むタイトル
研究論文のタイトルは、論文の内容を正確に反映することが重要です。短い表現で、主題や目的を伝えるキーワードを含めましょう。タイトルは、論文の核心情報を簡潔に表現する必要があります。
内容と一致したタイトル
論文のタイトルは、その論文の内容と完全に一致する必要があります。タイトルと内容の不一致は、読者の期待を裏切るし、信頼性を損なうからです。したがって、タイトル決定には慎重に検討する必要があります。
要約すると、研究論文のタイトルは簡潔で重要なキーワードを10~12語で使い、内容と完全に一致する必要があります。このようなタイトル設定で、論文の目的と価値が明確に伝わります。
要約(Abstract)の書き方
論文の要約(Abstract)では、論文の内容を200〜300語で簡潔にまとめます。読み手は、この要約から論文の概要を把握します。重要なのは、論文の主要ポイントを効果的に伝えることです。
要約の作成ポイント
- 論文の背景、目的、方法、結果、結論を簡潔に記述する
- 専門用語の使用は最小限に抑え、一般読者でも理解できるよう心がける
- 論文の概要を適切な語数(200〜300語前後)で表現する
- 論文のタイトルや内容と合致したキーワードを選んで盛り込む
- 構造化アブストラクトの活用も効果的(背景、目的、方法、結果、考察、結論の各セクションで構成)
効果的な要約作成には、論文の内容をよく理解し、主要ポイントを抽出することが大切です。透明性の高い記述と適切なキーワード選定で、読者の関心を引きつけましょう。
特徴 | 内容 |
---|---|
平均文字数 | 200〜400文字(日本語)、200〜300ワード(英語) |
種類 | 構造化アブストラクト、非構造化アブストラクト |
構造化アブストラクトの構成 | 背景、目的、方法、結果、考察、結論 |
注意点 | 過剰な詳細の回避、関連キーワードの使用、専門用語の制限、適切な時制の使用 |
要約を作る際は、論文の本質をしっかりと理解し、読者の関心を引きつけましょう。ジャーナルの要件に合わせた体裁と表現で、高い評価を得ることができます。
序論(Introduction)の書き方
論文の序論は、研究の背景や目的を説明する重要な部分です。既存の知見を基に、研究の独自性や意義を示すことが求められます。最後に、読者を本論の内容に導く記述が重要です。
背景と目的、重要性を説明
論文序論では、まず研究の背景と目的を説明しましょう。なぜこの研究を行ったのか、そして何を明らかにしようとしているのかを簡潔に説明します。さらに、この研究の重要性についても言及し、研究の意義を示すことが大切です。
読み手を本論に導く
序論の最後で、読み手を本論の内容に導入することが重要です。述べた背景や目的、重要性を基に、本論の概要を提示しましょう。これにより、読者の関心を引きつけ、理解を深めることができます。
要素 | 内容 |
---|---|
背景 | 研究の背景や現状について説明する |
目的 | 研究の目的や仮説を明確に示す |
重要性 | 研究の独自性や意義、重要性を説明する |
導入 | 本論の概要を提示し、読者を引き付ける |
英語論文, 章立て, 構造化
効果的な英語論文を作るには、章立てが大切です。論理的で読みやすいテクニックを知ることが重要です。各部分の役割を理解しながら、論文を組み立てましょう。
論文の長さと構成
学術論文の長さは次のようになります:
- 修士論文(Thesis): 20,000~40,000語、100~300ページ
- 博士論文(Dissertation): 60,000~100,000語以上、通常80,000語程度
論文は背景、問題提起、方法論、結果、結論、さらなる研究の可能性で構成されます。適切な図表の使用や、スタイルに従った引用が求められます。
章立てと構造化のポイント
- 論理的な流れで章立てする
- 各章の役割を明確にする
- 図表を活用し、データを視覚的に伝える
- 引用スタイルに従って参考文献を整える
- 修正と校正を繰り返し、完成度を高める
これらのポイントを意識して、読みやすく説得力のある英語論文を作成できます。
「論文の構造化は、読み手に論理的な理解を促し、説得力を高めるための重要な要素です。」
適切な英語論文の構造化は、アカデミックな成果を効果的に伝えるために不可欠です。論文の完成度を高めるために、ぜひ本ポイントを意識して論文作成に取り組んでください。
結果(Results)と考察(Discussion)
研究の結果を報告する際、客観的な結果の記述と、その解釈や議論を明確に区別することが大切です。結果(Results)では、データや観察結果を図表で分かりやすく示します。考察(Discussion)では、その解釈や論文結果の意義を論じ、結論につなげます。
図表を使った結果の客観的記述
研究の結果は、数値データの表や観察結果のグラフを使って記述します。これらの図表を使うことで、結果をはっきり伝えられます。
結果の解釈と議論
考察(Discussion)では、結果の意味や解釈、関連研究との比較をします。ここでは、結果だけでなく、その解釈や議論を展開し、結論につなげることが大切です。
論文結果 | 結果の解釈と議論 |
---|---|
– 実験条件Aでは平均値が10.5、条件Bでは8.2という結果が得られた – 観察によると、条件Aの場合は表面の変化が激しかった |
– 条件Aの結果は先行研究の予想と一致し、表面変化が大きいことから反応が活発だったと考えられる – 条件Bの結果は予想と異なるが、このメカニズムについては更なる検討が必要である |
結論
研究論文の最終章である結論では、主要な発見事項や意義を簡潔にまとめます。研究目的に照らし合わせて、知見の重要性を示すことが大切です。さらに、今後の研究の展望や提言を盛り込むこともおすすめです。
結論では、アブストラクトや序論で述べた研究目的を再確認します。それに対する答えや解決策を明確に提示する必要があります。さらに、研究成果がこの分野にどのような貢献をするのかについて言及しましょう。
この章では、論理的な流れと説得力のある筆致を保ちます。読み手の関心を最後まで引き付けることが求められます。適切な構造と表現を意識し、学術論文の書き方や論文の校正サービスの活用も検討しましょう。
FAQ
英語論文を書く際の難しい点はどのようなことですか?
英語論文にはどのような種類がありますか?
英語論文を書く際の基本的な手順は何ですか?
英語論文の文章はどのように書くべきですか?
英語論文ではどのような表現が求められますか?
英語論文のタイトルはどのように付けるべきですか?
英語論文の要約(Abstract)はどのように書くべきですか?
英語論文の序論(Introduction)はどのように書くべきですか?
英語論文の構成や章立ての要点は何ですか?
英語論文の結果(Results)と考察(Discussion)はどのように書くべきですか?
ソースリンク
- https://www.enago.jp/academy/abstract-versus-introduction/
- https://dept.sophia.ac.jp/is/solific/ebook/workbook_202203/original.pdf
- https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2022/enpaper_01
- https://www.enago.jp/academy/how-to-structure-your-dissertation/
- https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/cricket/wp-content/uploads/sites/115/2020/11/20200518-Current.pdf
- https://e-ronbun.net/how-to-read-1/
- https://www.enago.jp/academy/how-to-write-a-research-paper/
- https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758108522/
- https://compass.readable.jp/2024/09/26/post-325/
- https://note.com/technoprojapan/n/n529f46a1ef19
- https://jp.fujitsu.com/family/article/file/guideline2020.pdf
- https://qiita.com/Ishotihadus/items/d6088aec3632545833e8
- https://www-yaku.meijo-u.ac.jp/Research/Laboratory/pharm_eng/hon.html
- https://lib-arts.hc.keio.ac.jp/publication/uploadimages/pdf/1538628505.pdf
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- https://www.soubun.com/journal/論文の要旨(アブストラクト)を作成するポイン/
- https://www.editage.jp/blog/advantages-of-requesting-a-translation-service/
- https://www.graco.c.u-tokyo.ac.jp/labs/morihata/thesis_memo.htm
- https://www.soubun.com/journal/wordのテンプレートや機能を使って、簡単に論文を/
- https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/0100482093/0100482093.pdf
- https://www.enago.jp/academy/abstract-versus-introduction
- https://www.ritsumei.ac.jp/~ttt20009/classes/1011/format.pdf
- https://www.aje.com/jp/arc/thesis-vs-dissertation/
- https://epilogi.dr-10.com/articles/3722/
- https://blog.wordvice.jp/what-are-implications-in-research/